襖枠の構成要素と寸法への影響
2025/02/15
襖枠の構成要素と寸法への影響
襖枠は、主に以下の要素から構成されます。
- 縦枠(長押): 襖の上下を支える垂直な部材。高さは襖の高さにほぼ等しくなります。
- 横枠(敷居、戸当り): 襖の左右を支える水平な部材。幅は襖の幅に影響を受けます。敷居は床に固定され、戸当りは襖が閉まった際に当たる部分です。
- 枠組み材の厚み: 縦枠と横枠の厚みは、使用する木材の種類やデザインによって異なります。一般的な厚みは 3~5cm 程度ですが、より厚いものも存在します。
- 巾木(巾板): 枠の下部に付く板で、床との隙間を隠す役割を果たします。巾木の高さは数 cm 程度です。
- 鴨居(かもい): 襖の上部に設置され、襖の上端を支える部材。鴨居の高さと襖の上端の隙間は、デザインや建物の構造によって異なります。
- 敷居の高さ(床からの高さ): 敷居の高さは、部屋の床の高さと調和するよう設計されます。バリアフリー設計など、特別な考慮が必要な場合もあります。
- 戸車(とぐるま): 襖をスムーズに開閉するための金具。戸車のサイズや位置は、襖の重さやサイズに合わせて調整されます。
襖のサイズと襖枠寸法の関係
襖のサイズは、建物の間取りや用途によって異なります。一般的な襖の寸法は、幅が約 90cm~100cm、高さが約 180cm~200cm 程度ですが、これよりも大きく、あるいは小さい襖も存在します。襖枠の寸法は、襖のサイズに合わせた寸法に設計する必要があります。 襖の寸法に枠材の厚みを考慮し、さらに隙間を設ける必要があります。この隙間は、襖の開閉をスムーズに行うために必要です。
標準的な寸法と許容範囲
標準的な襖枠の寸法は、襖のサイズによって異なりますが、一般的には以下のようになります。ただし、これはあくまで目安であり、実際の寸法は建物の構造やデザインによって異なります。
- 幅: 襖の幅 + 枠材の厚み × 2 + 隙間 (例: 90cm の襖の場合、90cm + 4cm × 2 + 2cm = 100cm)
- 高さ: 襖の高さ + 枠材の厚み × 2 + 隙間 (例: 180cm の襖の場合、180cm + 4cm × 2 + 2cm = 190cm)
隙間は、通常 1cm~2cm 程度です。 この隙間が少なすぎると襖の開閉が困難になり、多すぎると隙間風が入る原因となります。
特殊なケース
- 障子枠との兼ね合い: 襖と障子が併用される場合、両者の枠の寸法を互いに整合させる必要があります。
- 建具の形状: 引違い戸、開き戸など、建具の種類によって枠の寸法は異なります。
- デザイン性の考慮: 枠のデザインによっては、標準的な寸法から大きく異なる場合があります。例えば、装飾的な枠材を使用する場合、枠の厚みが大きくなる可能性があります。
- リフォームの場合: リフォームにおいて既存の枠を再利用する場合、既存枠の寸法に合わせて襖を製作する必要があります。
設計上の注意点
襖枠の寸法を決定する際には、以下の点に注意する必要があります。
- 正確な測定: 襖枠の寸法は、正確に測定する必要があります。わずかな誤差でも、襖の開閉に支障をきたす可能性があります。
- 材料の選定: 枠材の材質は、耐久性やデザイン性を考慮して選択する必要があります。
- 施工方法: 襖枠の施工は、専門業者に依頼することが望ましいです。